ショウセツV
□死んだ方がマシという言葉
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何がいけなかったのだろう
そんな事ばかりを考えている。
考えたところで彼が戻ってくるわけもない
分かっていても
何をしているときでも
夢の中でさえも
彼のことばかりを考えてしまう。
事の始まりは
夏なのに少し肌寒かったある日のこと。
私は彼にこういった。
「楽しくない」
これは本心だった。
色々な障害を乗り越えて
長い時間をかけて
お互いの愛を確かめ合って
幸せな時間をすごしてきた
そんな時間も長く続いてくると
何かが音をたてて崩れ落ちるもので。
比較的人通りの多い道で
私のその言葉は意外と大きく響いた。