ショウセツ

□掌
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―大事な人と共に…



掌。




「ソル…入りますよ。」


―ガチャ


「…こんな時間に何の用だ。」


扉を開き 姿を見せたカイにソルは無愛想な言葉を送る。

ベッドに腰をかけ 煙草をくわえている。


「…暇潰しです。」

微笑むとカイはソルへと歩み寄り すっと隣りに間をあけずに座った。


「…貴方は前に私を大事だと言ってくれました。」


真っ直ぐ前を向き ソルと目を合わすことはなく ただ自分勝手に話出すと ソルも素直にそれを聞いた。



「あぁ。…それがどうした…。」


「…嬉しかった。」


月のない夜に窓から月の光りなど入らず 星たちが頑張って部屋を微かに照らしている。


「…長くなるようなら電気つけるぞ…。」


立ち上がろうとするソルの腕を握り締めて 向こうに行く…言い方を変えれば離れることを阻止した。


「…?」


「すぐ…終わります。」
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