ショウセツ
□掌
1ページ/6ページ
―大事な人と共に…
掌。
「ソル…入りますよ。」
―ガチャ
「…こんな時間に何の用だ。」
扉を開き 姿を見せたカイにソルは無愛想な言葉を送る。
ベッドに腰をかけ 煙草をくわえている。
「…暇潰しです。」
微笑むとカイはソルへと歩み寄り すっと隣りに間をあけずに座った。
「…貴方は前に私を大事だと言ってくれました。」
真っ直ぐ前を向き ソルと目を合わすことはなく ただ自分勝手に話出すと ソルも素直にそれを聞いた。
「あぁ。…それがどうした…。」
「…嬉しかった。」
月のない夜に窓から月の光りなど入らず 星たちが頑張って部屋を微かに照らしている。
「…長くなるようなら電気つけるぞ…。」
立ち上がろうとするソルの腕を握り締めて 向こうに行く…言い方を変えれば離れることを阻止した。
「…?」
「すぐ…終わります。」