ショウセツ
□私は貴方の敵ですか。
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『私は貴方の敵ですか?』
「あの…。」
「どうした、ディズィー。」
森の奥深く。
二人…二体のギアが日の沈む頃 久々に顔を合わせていた。
「もう…戻れませんか?」
切ないその瞳を 黒い長髪の間から美しく光る 色の違った瞳へと写す。
「…そんなにあそこがいいのか。
あんな目にあわされたと言うのに。」
テスタは無表情で彼女を見据えた。
彼女は困惑するように顔を歪めた。
「みなさんは私と仲良くしてくれました。
人は…悪だけではありません…。」
「…ふっ…。
馬鹿な事を…。
良いかディズィー。人とギアは交ざり合ってはならぬものなのだ。
人は悪を生み…悪は人を育てる…。」
その長い髪を風に靡かせ肩にのるカラスを人差し指で撫でる