ショウセツU
□愛に生き、愛に死す
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いつからだろう
憎い奴が愛しくなったのは
いつから 俺は―
『愛に生き、愛に死す』
―時代が変わって二ヵ月と十四日。
誰を頼ることも出来ず ただ、不本意ながらも奴の世話になっていた。
この時代にもう 慣れた気がする。
独りでやっていける。
「おい…。」
早朝の清々しい空気と辺りの異臭が混じり 気分が悪い。
不機嫌そうにソルが彼に話しかける。
「…?」
「…世話んなった。」
素直に一言いうと 立ち上がった。
それを見た彼は 一瞬眉を寄せた。
「どこに行く気だ。」
「さぁな…。」
短い言葉のやり取り。
ぴりぴりとした雰囲気。