ショウセツU
□振る手を見据えて
1ページ/9ページ
そうでもないと思っていた。
彼のことは敵視してきた。
だけど別に
彼が居なくなったからといって
自分に何か影響があるとすれば
張り合いのある成長を遂げられないというだけ。
だから特には気にしなかった。
―振る手を見据えて―
「そういう事ですので、ソル=バッドガイの行方を知る者からの情報を得ると共に 今まで通り、頑張りましょう。」
「はいっ。」
こうなると安易に想像出来た彼。
いつも無口で何を考えているのか解らない。
周りの人間と親しくしようなどとは思っていないのか。
そんな姿は一度も見たことがなかった。
大事な物を盗んだ上に逃亡。
未だに行く末を知るものがいない。
現 団長として全力を尽くそうと誓った。