ショウセツU
□それでも愛しい。
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幸せに埋もれて
気づかなかったことに気づいた。
選ばざる得ない道
荒れ狂う嵐はいつ止んだのか。
カイは目を覚ますと 温かい布団の中にいた。
こんな部屋にも
こんな天井にも
こんな布団にも
身に覚えのない物。
誰の家だろう
誰が助けてくれたんだろう。
疑問ばかりが不安を呼び寄せた。
「ぉ。お目覚め?」
ふと視界に入らなかった部屋の隅から 聞きなれた声がした。
振り返ると そこには すべての原因を作ったと言っても過言ではない人物が座っていた。