ショウセツV
□恋人から発展しましょうか。
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―先日
職場の後輩にゲイだと打ち明けられた
後輩はそれが世間から疎まれる事
否定される事
誰にも相談できない事で悩んでいるという
カイならば偏見など持たずに親身に相談にのってくれると考え
カイに相談を持ちかけたという
だが
あまりの唐突さに驚き
大声を上げて一歩下がってしまった
その瞬間の後輩の表情にとてつもない罪悪感を抱いた
そしてフォローしなければと慌ててしまい
「だ、大丈夫ですよ、私にも恋人がいます!」
ととっさに嘘を吐いてしまったという。
嘘をついてしまった罪悪感を感じるより先に、相手の表情が明るく、そして心の底から喜んでいる姿を見て
こちらもにこやかになった
良かった
「どんな方なのですか?」
「ぇっ」
ここで焦ってはダメだ
頭の中に浮かんだものが口からでる
「ちゃ…茶髪で背が高くて…無口だけど、とても優しいんだ」
それを聞いて更に表情を明るくする後輩
信じてくれたと安心したのも束の間
後輩からとんでもない申し出がでた
「では今度、二組で旅行にでも行きませんか?!」
「ぇ?!」
「二人っきりで旅行すると、周りから変な目で見られてしまうんですよね。カイさんもそんな経験ないですか?」
「ぇっ、あ…ある、あります!そうなんですよね」
「でも四人いたら友達グループだと思われるじゃないですかっね、ぜひ!」
「はい、喜んで」