ショウセツV

□酔ってるけど
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レモンと塩
空いたショットグラスの残骸

あれから飲み比べを申し出るカイに渋々付き合って
もう二時間にもなる

「おい…そろそろ」

「どうした、ソル」

「テメェぐでぐでじゃねぇか」

「うん…私はぐでぐでだ」

「うん、じゃねぇよ。分かったならさっさと帰れ」

「嫌だ、帰りたくない」

「ったく…珍しい事もあるモンだな」



「ソル…ソル、ソル!」

「何だ、うるせぇ」

「ソルー」

「っ…黙ってられねぇのか?」

「淋しい事言うな…私がソルと呼んだら返事をしてくれればいい…」


差し出された白い手
それがソルの腕を握って

「ねぇソル」

「ぁ?」

「帰りたい…」


青く濡れた瞳がじっと見つめる
ソルはそれを見て 1つ溜息を漏らした

「勝手に帰れ」

「一人じゃ歩けそうにない」

「我が儘言うな」

「ソル、送って下さい」

「何で俺が…」

「私にはソル…お前しかいないんだ…」






 
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