ショウセツ
□果たされる時-トウゲンキヨウ-
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「―これから先へは行かせない。」
二重に響くその声の持ち主は全身黒を身に纏い 赤く大きな鎌を持っている。
「テスタメント…私です。」
「お前は…カイ=キスク。この森に何の用だ。」
黒いカラスがテスタの肩で羽をいじる。
瞬時にカラスが女へと変身した。
二重の声のもう一人 サキュバスはテスタの肩から離れずニコニコと笑ってカイを見ている。
「ソル=バッドガイを探しているのですが…。」
「…この森へは来ていない。」
「そう…ですか。」
肩を落とし溜息を吐く。
それを見ていたサキュバスがテスタに何かを伝えている。
「…アクセル=ロウ。」
テスタはカイにむかって突然 無関係な人物の名を口にした。
「…アクセルさんが何か?」
「ソルと一緒に居るのをみた…と、そう言っている。」
テスタはサキュバスを横目で見て そう言うとカイは一瞬目を見開き慌てたようにお辞儀をした。