運命を記し書物

□真秀ろば(1)〜歪みの生まれ〜
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  「現れ出でよ、・・・悪魔王・・・サタン」

名を口にした途端、人々が入って来ていた扉が
バタンッと音を立てて閉まり、少年の上に
人の目にも映る程の濃く重い魔力が立ち込める。
人々は恐れ戦き、逃げ出そうとする者や
そのまま頭を下げる者達を女は、人々に構わず
嬉々として魔力の流れを見つめ、少年はその全てを
黙って見つめていた。
が、突然少年の頭の中に声が聞こえ

 『望みは何だ?』
 『・・・え?』
 『お前の望みを叶えてやる』
 『・・・望み・・・』
 『あるだろう?助けて欲しいんじゃないのか?』

どんどん魔力が濃くなり収縮していくと、
女は声をあげる。
「悪魔王よ、我が願い聞きたまえ、全ての栄光、
地位名誉を我に与えよ!生贄は用意した。
我が息子神威を悪魔お・・・・・・!!?」
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