alias 〜偽名〜

□第二章「slave 〜奴隷〜」
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俺はそんなことをつぶやきながら、もう100年以上は経っているであろうかという鉄屑の山を、目的の物を探し漁って行く、

威張った男「オラ、とっとと見つけねぇか、このノロマ共が!」

ここはクィビスタレナ郊外(なんか、首都の方ではごたごたしているらしいがそれは俺には関係の無いことだ)の、ある田舎街、俺はそこの地主であるこの太った男、ネッドのいわゆる奴隷なのだ…

ネッド「ちっ、もう日が暮れてきやがったか、お前達がノロノロしてるせいで、今日も結局、何も見つからなかったじゃねぇか!」

そう言うとネッドは他の奴隷を一人蹴飛ばす。俺達の仕事は、この旧文明の遺産(らしい)から、剣等の武器の材料に利用できそうな金属や、俺達にはわからないような使い方の出来る様々な物を探し出して、月に一度だけ来る国の買い取り屋に売るのだ。つまり暗くなっては出来無い仕事で、しかもこうしている間にもどんどん暗くなってゆく訳で………

ネッド「くそっ仕方ねぇ、今日は撤収だ!とっとと帰るぞ!」

っという訳で割に早く帰れる。しかし、朝早くからぶっ続けでの重労働には変わり無いので、俺と他の奴隷達は、くたくたで帰路に着いた………

俺達は家………というか納屋に帰ると皆、疲れた体を無理に動かし、競う合うように入口の反対側の壁にある木製の小窓の前に陣取ろうとする。

この納屋と、ネッドの自宅は、互に入口とは反対側でくっついていて、ネッドが家に帰るとすぐにここから俺達のメシが出て(投げ入れられ)る、しかし、これはよく(というか殆ど)人数分に足りないのだ(これはネッドが適当に配っているせいなのだが)、その為、全員が必死になって陣取りをする。

一触即発、この小窓が開くのを待っている時ほどこいつらが緊張していることは無いだろう。そう思っていたその時、小窓がいきなり開きパンが(投げ)入れられる。

俺は持ち前の瞬発力で、そのパンをいち早くキャッチすると、口に頬張る、堅くて不味いパンだが、何も食えないよりはマシだ。

いち早くそれを食べ終えた俺は、まだパンを手に入れようと奮闘している他の奴達を尻目に、自分の寝床である床下の収納庫に入る、これは純粋に荷物をしまう為だけに作られたものらしく、人が入るようには作られてはいないのだが、小柄な俺には丁度よく、他の奴達には窮屈なので、ここが俺のもっぱらの寝床なのだ。

俺は、その寝床に入り蓋を閉めると、疲れもあり、この地獄のような世界から逃避すべく、すぐに眠についてしまった………
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