小説

□魔法の言葉
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「たらいま〜〜だーりん」
「…………おかえりハニーとか言えば満足か?」
「いや〜〜」
「じゃあどうしろと」
「ちゅーして〜〜」
「…………しっかりしろ、この酔っ払い」
友人と忘年会に行き、日付も代わった頃、漸く帰って来てルカはエイリアンに体を乗っ取られていた……訳ではないが、人格が変わっていた。
朱に染まった頬とぼんやりとした瞳は色っぽい…が、有り得ないくらい明るくなった性格と千鳥足はどうしようもない。
「…よくここまで歩いて来たな…」
「ユダが送ってくれた〜〜」
「……へぇ…」
「カムイ〜〜だっこ〜」
「…ユダにしてもらえばいいだろ…」
「男の嫉妬はみっともないぞ〜〜」
…酔っ払いに正しいことを言われると正直腹立たしい…。
「ねぇ〜だっこ〜〜」
「……ワカリマシタ、お姫様」
エイリアン…訂正…ルカを横抱きにし、部屋まで運ぶ。無論ソファーに降ろすまでの間も『お嫁さんだっこ〜』と頬を擦り寄せてきたり煩かった…いや、嬉しくなかった
のかと聞かれれば首を横に降るが…。
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