小説

□無題
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まだ真っ暗な部屋で目を覚ました。
「…ん………ん……?」
ぼんやりした頭で身じろごうとしたが、体が動かない。
どうしたのかと眠い頭で状況を確認する。
「………あ」
私の体は、カムイの腕の中にあった。
「………」
…カムイが寝てる。
――珍しい。
いつも私の方が先に寝るし(と言うか、カムイは私が寝るまで起きててくれるし)朝はカムイの方が早いし(私が起きられないだけなのだけど)…。
せめてカーテンが開けられれば外の明かりで寝顔が見れたかもしれないのに…貴重なシュチュエーションゆえに、動けないことが微妙に悔やまれる。
でもそれが、どうしようもなく温かかったから、それから逃れる気にはなれなかった。


カムイと一緒に暮らし始めて四日目。
一応、私の部屋はあるのだが、ベッドがまだないため同じところで寝ている。

今度、買いに行く約束をしたが、新しいベッドは、大きいやつをねだろう。


二人で寝ても狭くないやつを。

end
 

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