小説

□無題
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バスにてふと目に入った広告。


「幸福(しあわせ)は住居(すまい)から。株式会社〇×建設」


隣を見る。
流れていく景色を窓越しに見る君がいた。
感触をそっと確かめる。
絡めた腕の暖かさ、
軽く肩にかかる重さ、
長い髪が触れる感覚、
そして君の息遣い。


「…?どうかしたか?」
視線に気付いた君が問う。
「……いや、何でもない」


そう言って、
その手をしっかり握りなおした。


少なくとも俺は、愛しい人と、こんな風に過ごせるだけで幸せだと再確認した日曜日。

end

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