小説

□言葉はいらない
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「…好きなのは俺の髪だけか?」
「え?」
言うが早いが素早く上体をルカの方へ近付け、体重を支えるためソファの肘掛に左手をやる。
はたから見るとおそらく押し倒しているように見えるのだろうと思いながら、空いている 右手をルカの顎にかけ、尋ねた。
「俺そのものは好きじゃないのか?」
その一言で驚きの表情が、確信犯的で満足気な笑みに変わる。
ルカの左腕が回されて、ただでさえ近かったルカの顔がもっと近づく。唇が重なる直前に悪戯っぽく囁かれた。
「この甘えん坊め」


END
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