小説

□魔法の言葉
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「まったく…早く帰って来いと言ったよな」
「ん〜〜」
「あまり呑むなとも言ったよな」
「ん〜〜」
「…ルカちゃんは約束が守れない子なのかなー?」
「そんなことないも〜ん」
…同じレベルで話し掛けないと答えられないのか…
「約束守れない子なんか嫌いになるぞ…」
その『嫌い』と言う単語に、ルカは唐突に反応した。
「やだ!やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ!!」
その目には涙すら浮かんでいる。
「きらいになっちゃやだぁ!!」
ぎゅっと抱き付き、俺の胸に顔を埋め真剣に泣き出した。
「冗談だ…本気にするな…」
やや呆れて、なだめるように、軽く背を叩く。
「ほんと?ほんとにじょーだん?」
上目使いに見上げてくる瞳に溜まる涙を舌先で拭う。
「大丈夫。愛してる」
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