小説

□バレンタインに
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「……指輪?」
「ご丁寧に、2つ合わせると1つのカタチになるタイプのペアリング。今頃もう一方は送り主の指じゃないか?」
考えただけで気持ち悪いとでも言うように眉を潜める。
そしてまたごそごそと袋の中を漁り出す。
このルカの不機嫌を治すにはもうあれしかない。確か貰ったはずだ、あのあからさまな義理チョコ。頼む入っててくれ。そしてルカに早めに見つかれ…!
かなり真剣に祈った。握った手に汗。
「…………あ」
ルカが小さく声をあげた。
「これ、私がもらっても良いか?」
ポッキー赤箱。
もらっても良いか、と聞きながらルカは既にべりべりと箱を開けにかかっている。
ルカの機嫌が良くなっているのが一目瞭然。
くれた受付嬢のピンキーには間違いなくホワイトデーに御礼だ。
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