小説
□無題
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ごめん、膝枕に萌えた…夏月作母さん視点!
居間に行くと、ルカがソファにもたれかかって、うつらうつらしていた。
座っている姿勢だがどうやら眠っているようだった。
そう言えばここ2日はよく眠れなかったと言っていたか…
『いつも傍にあるぬくもりがないから』と告げた時の、寂しそうな笑顔がふっと蘇る。
その後の会話では笑顔を見せていたものの…やはり疲れていたのだろう。
何だか起こすのも可哀相なので、寝室から軽めの毛布を持ってきてかけてやろうとした、その時。
ルカが、うっすらとその目を開けた。
その焦点はどこかぼやけている。
そして、ぽつりと言った。
「…カムイ?」
と。
それはとてもけだるい口調だった。しゃべっているというよりは、ぼそぼそ呟いているといった印象で、呂律も回っていない。
とろんとした視線には甘えが交じり、頬はほんのり紅に染まって。目蓋が重く感じるのだろう、ひどく億劫そうに瞬きしている。
布団をかける手が一瞬止まってしまった。
そして、苦笑する。