小説

□花火大会の夜
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「すみませんシン…」
シンに背負われ、レイは申し訳なさそうに声を出した。
「仕方ないですよ、これは」
そう笑ったシンの片手には、鼻緒の切れてしまったレイの下駄。
「レイの家、ここを真っ直ぐでしたよね?」
「あ…僕の家まで送ってくれなくて良い…です」
「いや、送りますよ?」
「あ…そうじゃなくて…シンの家の方が近いでしょ…だから」
シンには見えなかったが、レイは頬を赤くして消え入りそうな声で言った。
「シンの家に行きたい…」
レイには見えなかったが、やはりシンもその言葉に頬を赤らめ、
「はい…!」
嬉しそうにうなづいた。
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