BLEACH

□鬼の霍乱
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身体が怠い。
体温を測ってみると、三十八度を超えていた。
―……あァ、こりゃ駄目だ。



寝てたら治るんじゃねぇの、と軽く考えていたが甘かった。
起きたら更に熱が上がっていて、立っていられない状況。
あれ、俺寝たきり?とか激しく痛みを訴える頭の片隅で考えて、少し辟易とした時。
バタバタと五月蝿い足音が聞こえてきたと思ったら、直ぐに部屋のドアが開いた。
「阿近さんっ」
「あんま大声出すんじゃねェよ。響く……」
今日もウザイ程元気な修兵が入ってくる。
そして俺の掠れた声を聞いて目を丸くした。
「阿近さん……若しかして風邪っスか?」
「見れば判るだろ」
「へぇー……」
そう言う修兵の目が意地悪く光った気がした。
何か嫌な予感がする。
「すっごい熱いですねェ、身体」
俺が動けないのを良い事に、ベタベタと触ってきた。
「ウゼェ……」
「風邪の時って何か色っぽいー」
俺の話を無視して修兵の変態的スキンシップは更にエスカレートする。
「おい、修兵……」
「本当、弱ってる阿近さんなんて珍しいッスよね」
そう言って修兵にのしかかられる。重い。
只でさえ怠いっつうのに……犯られる体力が俺にある訳ねぇ。
が、お盛んなこの餓鬼が俺の言う事を聞いて行為を止めるとは思えない。
「止めろっつっても止めねぇんだろうな……」
「あ、良く分かってますね」
最終確認を軽く蹴った修兵は、首筋に唇を押し当ててくる。
仕方ねぇ、修兵にはかなり痛い思いをして下がってもらおう。
そう思って、俺は近くにあった灰皿を掴んで振り上げる。
一秒後、鈍い音が部屋に響き渡った。












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