SILVER SOUL

□イメージチェンジの後日談
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「髪伸びたなぁ、ヅラ」
不意に銀時が何時もの間延びした声でそう言った。
「ヅラじゃない、桂だ」
俺は何時もの台詞を言って、寝転んでいる銀時に近付く。
「で……髪が伸びたのは見たら分かるが。それで何が言いたいんだ、銀時?」
「ヅラさぁ……知ってる?」
銀時は俺の髪を弄くりながら言った。
「髪伸びんの早い奴はエロいんだってェ」
それを聞いて銀時の手をバシリと払い除ける。
「ちょ……何すんの。暴力反対ー」
「巫山戯るな」
何を言い出すかと思えばくだらない事を。
が、今日の銀時は予想以上にしつこかった。
「やー、でも結構当たってると思うんですけど?」
「何がだ」
「ヅラがエロいって事」
ニヤリ、と嫌な笑い方。
「失礼な奴だな」
「真実だろが」
不貞腐れると、銀時はズイッと顔を近付けてくる。
「一昨日の夜も俺の下で乱れていたのは誰だったっけなぁー」
「なっ……!?」
品の無い言葉の奇襲に、対応出来ずに顔が赤くなった。
「な、何を言って……」
「顔赤いぞーヅラァ」
動揺する俺を意地の悪い笑みで見る銀時。
「あ、あの時の事思い出してたの?やっぱりエロエロだなーヅラはァ」
「な、何だと……」
それを言うなら半ば強引に行為に走ったお前の方がそうなんじゃないのか、と反論しようとしたが、銀時の言葉に遮られた。
「これからはヅラじゃなくてエロヅラって呼ぶわ」
……仏の顔も三度まで、と言うが。
変なあだ名を数年に亘って言われ続け、その上に不名誉な言葉を付け足される今の今まで我慢したのは中々偉いと思う。
が……堪忍袋の緒がブチ切れた。
「エロじゃない……桂だァァア!!!」



翌日、俺は天然パーマの侍が見事に腫れた顔を擦りながら本屋でジャンプを買っていたという噂を耳にした。












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