堕天使学園・ホモ科

□嫉妬
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平凡な日常。
俺は中庭で読むための本を借りるため、図書館に向かった。

広い図書館内で、自分の好きなファンタジー物のコーナーに行く。
どうせすぐ読み終わるから、と言って部集めの本を10冊程度選び出す。
それでもまだ物足りなく、もう一つ本をと思って、ある本に手を伸ばした。

すると、誰かと重なった。

(おぉ!?これはこれはベタな恋愛のはじまり方じゃないか!?)

綺麗な手に思わず期待をする。
高鳴る胸を押さえつけて右を向く。

「 あ、あのすいませn・・・ 」
「 いや、こちらこs・・・ 」

・・
・・・・
ダラダラ・・・
ダラダラダラダラ・・・

「 くくくっ、黒、黒恵? 」
「 ・・・玲園君か・・・ 」

うわあああああああああああああ!!
少しでもドキッとしてしまった自分を殴りたい。
殴り飛ばしたい。

キッと玲園は黒恵をにらみ本を取って逃げようとする。

「 ちょっとまって 」
「 あぁ!?んだよ 」

黒恵が俺を呼び止め、本を指差す。

「 さっき、僕の手のが本に近かったからそれは僕が借りる 」
「 いーや、俺がとったんだ。俺が借りる 」

ムッスーとした表情でお互いにらみ合う。
すると黒恵が口を開く。

「 もういい。シゲくんにでも何か借りてくるよ 」

そういって出口に向かう。
は?今なんて?

シゲから借りる?
冗談じゃねェ。シゲは俺のだ。
あいつなんかとしゃべらせたくない。

「 黒恵っ!! 」

怒りを交えた声で黒恵を呼び止める。
さすがにビビったのか黒恵が振り向く。

「 ・・・ここ図書館なんだよ?静かにできないのかな 」
「 うるせぇなんでお前とシゲがそんな間柄なんだ 」
「 君や輝を伝って仲良くなったんだよ 」

無表情で言うところになぜか無性に腹が立つ。
俺は黒恵に向かって歩き出した。

「 というか、そんなに拘束してると嫌われるよ? 」

そういわれたとたんプツンと何かがキレる音がした。

「 テメェっ・・・! 」

俺は黒恵の胸ぐらをつかんだ。

「 そんなに劇激情するってことはそんなに嫌われるのが怖い、ってことかい? 」
「 黙れ 」

至近距離で睨みつける。
相変わらず黒恵は無表情だ。

しばらくの間、俺らはその状態で固まっていた。



 
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