堕天使学園・ホモ科
□嫉妬
1ページ/4ページ
平凡な日常。
俺は中庭で読むための本を借りるため、図書館に向かった。
広い図書館内で、自分の好きなファンタジー物のコーナーに行く。
どうせすぐ読み終わるから、と言って部集めの本を10冊程度選び出す。
それでもまだ物足りなく、もう一つ本をと思って、ある本に手を伸ばした。
すると、誰かと重なった。
(おぉ!?これはこれはベタな恋愛のはじまり方じゃないか!?)
綺麗な手に思わず期待をする。
高鳴る胸を押さえつけて右を向く。
「 あ、あのすいませn・・・ 」
「 いや、こちらこs・・・ 」
・・
・・・・
ダラダラ・・・
ダラダラダラダラ・・・
「 くくくっ、黒、黒恵? 」
「 ・・・玲園君か・・・ 」
うわあああああああああああああ!!
少しでもドキッとしてしまった自分を殴りたい。
殴り飛ばしたい。
キッと玲園は黒恵をにらみ本を取って逃げようとする。
「 ちょっとまって 」
「 あぁ!?んだよ 」
黒恵が俺を呼び止め、本を指差す。
「 さっき、僕の手のが本に近かったからそれは僕が借りる 」
「 いーや、俺がとったんだ。俺が借りる 」
ムッスーとした表情でお互いにらみ合う。
すると黒恵が口を開く。
「 もういい。シゲくんにでも何か借りてくるよ 」
そういって出口に向かう。
は?今なんて?
シゲから借りる?
冗談じゃねェ。シゲは俺のだ。
あいつなんかとしゃべらせたくない。
「 黒恵っ!! 」
怒りを交えた声で黒恵を呼び止める。
さすがにビビったのか黒恵が振り向く。
「 ・・・ここ図書館なんだよ?静かにできないのかな 」
「 うるせぇなんでお前とシゲがそんな間柄なんだ 」
「 君や輝を伝って仲良くなったんだよ 」
無表情で言うところになぜか無性に腹が立つ。
俺は黒恵に向かって歩き出した。
「 というか、そんなに拘束してると嫌われるよ? 」
そういわれたとたんプツンと何かがキレる音がした。
「 テメェっ・・・! 」
俺は黒恵の胸ぐらをつかんだ。
「 そんなに劇激情するってことはそんなに嫌われるのが怖い、ってことかい? 」
「 黙れ 」
至近距離で睨みつける。
相変わらず黒恵は無表情だ。
しばらくの間、俺らはその状態で固まっていた。