あか恋 II【黒バス】
□第 X 話
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放課後の図書室で私は一冊の本を探していた――
本の一覧表がのった資料をたよりに本棚の間を歩いていると、自然と気持ちが落ち着 いた 昔から本が好きだった私はいつしか放課後の図書室の常連になっていた
(あ、あった・・!)
私は一冊の太い本を手にとった かなり昔の本のようで、表紙はかなり煤けていた
本のホコリを払うと、いつもの席についた いつもの席で一人、読書をする
でも、今日は一人ではなかった――――
「それは、ドフトエフスキーの罪と罰かな」
貴方「あ、こんにちは」
図書室の入口に赤司くんが立っていた 彼と電話した際に頼み事があると言われた
それが、難しい本を数冊教えて欲しいということだった
秀才の彼なら難しい本は知っていると思っていたが、あまり詳しくないそうだ
貴方「これは有名ですもんね・・・何回も読みました」
赤司「そうか・・・君は本が好きなんだね」
彼は少し微笑んでそう言った
それから私は何冊かの本を彼に薦めた
赤司「全部借りよう」
貴方「え、全部ですか?」
何冊かといっても私が薦めたのはみんな長編もので、一人で読み切るにはかなり時間 がかかるものばかりだった
不思議に思ったがすべて彼に渡した―――
赤司くんが帰った後、メールが来ていることに気づいた