二次創作

□もし織田作之助が異能で生き返ったら
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ふと、目が覚めた。
「俺は死んだはずでは・・・」
死んだ、守れなかった子供たちの仇を打つため向かったミミックの拠点。
そこでのジイドとの対決、
そこで確かに私は死んだはずだった。
だがしかし、今私は“ここ”にいる
やつとの対決で受けた傷も何も無い。

そしてふと、ここが何処なのかということに思い至った。
私はどこかの街中に立っていた。
行き交う人々は立ち止まったままの俺を邪魔そうに過ぎ去っていく、
私は人気のない森の建物の中で死んだ。
もし仮に“生き返った”のだとしてもあの建物の中にいるはずなのではないのだろうか

ーーーーーー

「太宰・・・なのか??」
「久しぶりだね。織田作」
辛そうに悲しそうに笑う太宰に私は手を伸ばした。
かける言葉もです、伸ばしたと云ってもきっとあいつの手を掴むことを撫でることも出来なかっただろうがその腕は太宰に避けられた
「太宰?」
「ダメだよ。触れてはダメだ」
「知っているだろう?私の異能を」
「君がここに居るのはきっと何者かの異能だ」
「私に触れるときっと君は消えてしまう」
私はそういう太宰の顔を見て何も言えなくなってしまった
「そうか」
「ポートマフィアを抜けたんだってな」
「織田作が言ったんじゃないかいい人になれとだから頑張ったんだよ」
「“人を救う側になれ”と“佳い人間になれ”正義も悪もにとってはどちらも、どちらもお前には大差ないだろうが・・・そのほうが、幾分か素敵だ”と。織田作、君が言ったんじゃないか」

そう、だったか

“ねえ織田作私は幾分か素敵な人間になれただろうか”

そう言って笑う太宰を見て私は太宰(友)に、もう何も言葉をかけてやることも、その頭を撫でやてることも出来ない事実に、死んだことを後悔した


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