とうらぶ 短編

□まるで、それは
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わたしはどのくらい寝ていたのでしょうか、と尋ねると、時計をじっと見る太郎さん。

「私が部屋に入って長い針が半分動いてました」
「三十分かぁ…」

太郎さんが帰ってくる前はわからないけど、頭がすっきりしてきたのでいい睡眠だったんだろう。
太郎さんを見上げたまま会話が続いた。

「他の出陣したみんなは無事でしょうか?」
「ええ」

怪我人がいないと聞き、とりあえずほっとした。今は着替えてそれぞれで過ごしているそう。

「太郎さんも着替えてきますか?」
「ええ、そうします。」

寝転がったまま報告を聞くのもなぁ、なんて思いながらも太郎さんも動かないのでそのまま話していた。

「では、後ほど。」
「はい」

ふと机を見ると書類がきれいにまとめられていた。

「これ、太郎さんが…?」
「すみません差し出がましい真似をしました」
「いえ、ありがとうございます。」

では、と太郎さんは出ていった。
優しいなあ。

感情の表現が下手なだけというかどう表現のしていいかわからないだよと次郎さんが言っていたのわかったような気がする。
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