黄色王子と天然天使。
□第1羽 入学式
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「マジスか!」
『クラス一緒だ〜♪』
まさかまさか!
涼くんとクラスが一緒〜♪
これで中学合わせて4回目
中学はずっと一緒だったからな〜
この学校、知ってる人すらいないと思ってたのに
よく知ってる涼君がいて
しかも同じクラス
なんかちょっと安心♪
「じゃ、教室行こっス!」
『うん!』
自分のクラスをもう一度見て
私達はさっき配られた校内地図を見ながら教室に向かった
「すぐに始業式だから体育館に移動しろ!」
教室に着くと担任の先生(かな?)が大きい声でそう言っていて
周りのみんなは焦りながらも体育館に向かっていた
『そんなに焦らなくても…まだ時間あるのになぁ〜』
そう言いながら自分の席に鞄を置いて
バームクーヘンを取り出した
「ちょっ由来っち!?」
『なーに?涼君』
「何呑気にバームクーヘン食べてるんスか!
だいたいさっきの飴は…」
『食べ終わったよ〜それに焦らなくても時間はまだあるから…』
「時間じゃなくて!」
そう言って涼君が横目で見ていたのは
機嫌を悪そうにした先生
どうして機嫌悪いんだろ…?
はっ!
まさか…
「ちょっと由来っち!?どこに『先生どーぞ!』ってえ!?」
私が先生にバームクーヘンを渡していると
涼君がすごくビックリしてた
なんでだろ?
「これはなんだ?」
『バームクーヘンです!どーぞ食べてください!!』
そう言うと先生はちょっと間を置いて
「お前…入学式にこんなものいらないだろ!!」
大きな声でそう言った
『いりますよ!お菓子は素晴らしいものです!!お菓子を馬鹿にするならいくら先生でも許し「時間ないんで行きまーす!」ちょっと涼君!』
私は先生にお菓子について熱く語ってたのに…
涼君に腕を引っ張られた
と思ったら抱えられてて
今はもう教室から結構離れたところまできた