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□ホワイトデー
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「さーて、どうすっかな…」
そう呟きながら手に持っていた小さな箱を見つめる
今日はホワイトデー
つまり
彼女にお返しをする日
彼女-星名はバレンタインの時に出来た俺の大切で大好きな人
そんな星名のためにオフの日を使ってプレゼントを買った
ラッピングはお店の人がやってくれたけど
星名がつけてくれたメッセージカードがめちゃくちゃ嬉しかったから俺もつけてみた
そして
この箱を渡したい人はとなりの席にいる
でも
「今日どんなお返しくれるのかなー?」
「私もう貰ったよ!」
「えーなに貰ったの!?」
こんなに盛り上がった教室で渡す気はさらさらない
帰りに渡すかな
そう思ってこの甘ったるい空気から抜け出すため教室を「星名ちゃん高尾になにもらったのー?」
は?
『え、貰ってないけど…』
「じゃあ帰りとか約束してるの?」
『してないけど…』
「ふーん…用意してないんじゃない?」
「きっとそうだよ!」
「星名ちゃんのこと彼女だと思ってなかったりして「んなわけねーじゃん」
自然とその言葉は出た
そんな俺にきょとんとしているあいつらは確か俺にバレンタインのチョコを渡してきたやつだ
なるほどな
そう思いながらさっき来た道を戻る
「星名、行くぞ」
『えっちょっ』
待って
という彼女の言葉を無視して腕を掴んだまま屋上に向かった