ヤンデレと付き合う方法
□はる たす とおる いこーる
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ヤンデレと付き合う方法、ひとつめ。
お互いに好きじゃないと、ヤンデレはただ辛いだけ。
でも、まずその点に関しては問題ない、よね。
「…ん」
「ほら、はる。朝ごはん出来たから起きて」
「ぅ、とぉる…は、よ」
甘い声が耳元に囁き、深い眠りについていた僕はゆるりと浮上する心地いい感覚に起こされた。
もともと寝起きのあまり良くない僕だけど、徹に起こされると何故かすんなり起きれる。
なんでかな。
「ふぁ、…とーる、おはようのちゅー」
「かわいい」
よしよしと寝転んだまま見上げる僕の頬を優しくなでると、反対の手をベッドに置き、支えにする。
そのままゆっくりと僕の方に顔を寄せ、バードキスをして離れた。
少しものたりなさそうに見る僕に気付いた徹が愛おしげに目を細め、僕のひたいに自分のそれを乗せる。
「はる、好き。大好きだよ」
「うん。ぼくも大好き」
「ほんとに、大好き…」
目が、僕を捉えてるはずなのに焦点があってない。
これは徹が考え込む時の目だ。
僕の、いちばん嫌いな目。
「徹」
「…はる」
「僕を見て、僕だけを見て。他の事なんか考えないでよ。」
「はる、」
「僕以外を見るはるの目なんかいらない。抉り取って食べちゃうよ」
「ごめん、違うよ、はるの事考えてた。他の事なんか考える暇ないよ、はるしか見えない」
いつもよりはっきりとした口調で喋る僕にびっくりしたように、少し焦るように早口でそう言った徹は、ちゃんと僕を見てた。
良かった、戻らなかったらほんとに食べちゃうとこだった。
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