グレィドォル

□ホワイト
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髪を梳かれ、服を着せ替えられ、話すことは許されないのに話し相手にされる。
まるで子供のする人形遊びのようだ、そう思わずにはいられない。


不本意ではあるけど、それを訴えた時、『お人形遊び』なんかじゃなくなってしまうだろう。

自分の身が1番可愛い俺は、着せ替えも、おママゴトも、あいつの思う通り動く。


恐怖や嫌悪なんかはもう、とっくの昔に忘れた。



俺は命の方が惜しい。
不安定になり易いあいつは、すぐ俺を苦しめる。
方法は違えど、殺す気で。


ゴテゴテしたものを好むあいつに付けさせられた太身のチョーカーと言うよりは首輪の様なこれで今は見えていないが、何度も締め付けられたせいで消えなくなった手形。

きっとこれがある限り、俺は一生あいつを忘れられないんだろう。



生きているのか死んでいるのか、はたまた生かされているのか。

いつだって、その気になれば死んで逃げることも出来るだろう。

だけどそれは、あいつの狂気から本当の意味で自由になったわけじゃないんだ。
死んだって尚も、あいつは俺を縛る。
追いかけて来て、またあいつの手で殺されて、それでもまだあいつは満足しないんだろう。






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