Nobel

□反対尋問
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「阿伏兎、俺おしっこしたくなっちゃった。口、開けて?」
殺人の作法を顔に張り付けて、神威は俺の肩に足を乗せてくる。その行為に苛立ちを覚えつつも、明らかに俺より苛立ちを露にしている神威が少しばかり怖く思えたからおとなしく従うことにした。いや、別に恐怖しているだけではなく、己の命が今日限りで消滅してしまうかもしれないと思うと、嫌でも尻の穴がきゅっと閉まる。ちなみに、当たり前だが俺にそんな(小便を飲む・飲ませる)趣味はない。もちろん神威にだってないはずだ。じゃあ何が神威をそうさせているのか、原因なんてものは全くもってわからない。こいつはそういう男なのだ。気が赴くまま、したいことをするだけ。その気まぐれに最低限付き合ってやるのが俺の役目だ。嫌々ではあるが、神威の足元にしゃがみ、ズボンを下ろす。もちろんそこはなんの反応もない。神威は微動だにせず、まるで「早くくわえろよ」と言わんばかりの眼差しで見下ろしてくる。なんという屈辱だ。右手でそれを掴み、半ばなげやりではあるが強引に口に含む。するなら早くしてくれ、ヤローのちんこを口に含むだけでもプライドがズタズタなのに、その上小便を飲まされるんだ。さっさと終わるに越したことはない。しかし十秒もするとさすがに不信感を抱く。なんだ?しないのか?団長、するなら早くしてくれ、と言おうとしたが、あっさりとそれは否定されてしまう。


「早く、しゃぶってよ」
さっきと寸分違わぬ笑顔を顔に張り付け、首もとを押さえ込まれ、そのままゆるゆると律動を開始される。成る程、これが目的だったのか。素直に言えばいいのに。変なところで意地を張るところも憎めない。ほどなくして膨張し始めると先走りが口の中に広がる。団長の表情は、先程よりは、うん。とろんとしてきている。わざとらしく音をたてて吸うと、ん、と小さく吐息を漏らす。なんだァ?今日は随分と頑張るなぁ。声、圧し殺す必要なんてないんだぜ。にや、と笑いかけてやると、うるさい、早く続きしろよ。…んな顔で言われても、なんの迫力もない。もう苛立ちはないようだ。何て単純。さすがは精神年齢中二以下のガキンチョだ。
「んんっ…ふ、ぁ、」
さらに激しく吸ったり舐めたり転がしたりしているうちに、神威は呆気なく絶頂を迎えた。尿は、されていない。幸いなはずなのに、なんだかそれも頭に来る。中に残っている精液を吸い尽くすようにして尿道に舌先をぐりぐりと押し付ける。したいんだろ、早くしろよ。ぐぷぷ、遠くまでくわえる。すると神威はぶる、と震えた後、や、だめ、と一言漏らし、俺を突き飛ばした。プシャアアアァァ。一瞬何が起こったのかわからなかったが、どうやら神威は、はなから俺に小便を飲ませる気なんてなかったらしい。涙目になり、うっ、と地面に崩れ落ちる。ほう、これは結構いいんじゃねーの?


「おいおい、この年でお漏らかぁ?このスットコドッコイ。なぁ、」

前髪を掴み、ズボンから立ち上がった俺自身を取り出す。


「団長、ちょいとしょんべんしたくなっちまってねぇ。口、開けてくんねぇか」


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