企画

□嬉し恥ずかし
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寒い寒い、冬真っ只中のこのマグノリアに出来立てホヤホヤの熱々カップルが一組。

『もうグレイ! くっつかないで!!恥ずかしい!!』
「照れんな、照れんな」

ルーシィを背後から抱き締めているのはグレイ。
ここはギルドだが、もう見慣れてしまった光景だからか皆呆れたような目で見ていた。

『(ラブラブですねー)』

ただ、メイビスは微笑を浮かべそんな二人を微笑ましく思っていた。

『だーかーら!!初代も見てるし!!離れなさいって!』
「まあまあ」

ルーシィは赤面しながら抵抗するがそれはきっと恥ずかしさから来るもので本心ではないのだろう。それがわかっているからグレイも離れないのだ。

『(…ちょっと羨ましいですね…)』

そんな二人の意思の疎通を子供ながらに感じとっているのか、むーと唇に人差し指を当て羨ましそうに二人を見ていると…

『あらあら』
『あ!ミラ!!』

いつの間にかミラジェーンが笑顔で隣に立っていた。

『また二人を見てるんですか?』
『はい。二人は見てて飽きませんから!!』

無邪気に笑うメイビスにふふ、とミラジェーンは笑った。
 
『それに…』

メイビスはグレイとルーシィから目を離すとある方向を指差した。

『(ジェラシージェラシージェラシージェラシージェラシージェラシ ージェラシージェラシージェラシージェラシージェラシー!!!)』
『ジュビアのあの姿を見るのはとても面白いですから!!』
『……ハハハ…』

メイビスの言葉にミラジェーンは苦笑する他なかった。


******

ところ代わり

『グレイ離れい!!』
「寒ぃからやだ。」

グレイとルーシィである。

『あんたに寒いなんて言葉似合わないから!! てかあたしは暑い!!』
「ならもっと熱くなることでもするか?」
『なっ!!そんな話に持っていかないでよ、バカ!』

グレイのからかいの言葉に顔を真っ赤にするルーシィ。そんなルーシィが可愛くて仕方ないのかグレイの顔は始終にやけている。

「まぁ、ルーシィとならいつでもオレは大歓迎だけどな!」
『な、な!? だ、だから皆いるんだから止めなさい!バカー!!』

一つの椅子に二人。それもグレイの膝に座らされるというだけで恥ずかしいのにこの言葉。赤面するなという方が無理な話だ。

「ハハハ」
『〜〜っ』
 
ギルドでなければ違ったが今は皆がいるギル ドだ。そんな中でのこの状況。嬉しくも恥ずかしい、そんな心境のルーシィがとった行動は…

『…ねぇ…』

頬を赤く染めながらグレイの耳に唇を寄せ…

『家、帰ろ?』

きゅっ、とグレイの服の裾を握る。

「!」

今度はグレイが赤面する番のようだ。

『ね、帰ろ?』

いたって真剣なルーシィ。
その顔は誰が見たとしても赤面してしまいそうなほど愛らしい。

「…っ」

ガタッ、とルーシィを抱え出口に向かうグレイ。暴れようとするルーシィに一言、

「どうなっても知らねーから。」

と残して…


嬉しくも恥ずかしい


(グレイ様がルーシィにお持ち帰りされるぅ〜っ!!!!)
(あら、ジュビア?逆だと思うけど…)
(やっぱりジュビアは面白いです!!)
(グレイ゙ざま゙〜〜〜!!!)


・終わり・
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