企画

□猛獣の瞳
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※15禁にはなるかもです。



その部屋にはバスケ雑誌、エロ本(…etc)が隠しもせず机やベッド脇に散らばっている。
そして…

『離せアホ峰!!』

ベッドでは女が男に押し倒されていた。

「先に誘ったのはリコだろーが。」
『誤解を招くようなこと言わないでよ!!』

青峰によって押し倒されてしまっているリコ は思った。私が何をしたというんだ、と。

「自覚もねーのかよ。」

呆れたように溜め息を吐く目の前の男にリコ は『こちらが溜め息吐きたいっての!!』と半ば叫んだ。

『ね、ねぇ、初詣行きましょ? せっかく二人で初詣の約束までしたんだから!』

『ねっ?』と引きつりそうになる口角を無理矢理上げた。

「…」
『……っ』

やばい、リコは心の中で呟いた。

「…」

なぜなら青峰のその瞳は完璧に獲物を狙う猛獣のようにリコを狙っていたからだ。

『あ、青峰く――っ』

リコの首筋を嫌な汗が伝った、その時。

「リコ。あんたの周りがどうだか知らねーけどな…」

青峰は逃げられないようにリコの顔を両手で固定した。

「あんま男の理性舐めんな。」
『ふん゙っ!?』

噛み付くような乱暴な口付けがリコに降り注ぐ。
 
『ぅ…、ンン…っ』

角度を何度も変える口付けに酔いしれそうになるのをリコは必死で堪えた。

『(なんで、こんなことに…っ!?)』

リコは頭の中で先ほどの言葉をリピートさせた。

『キス…したい…っ』


年が明けた瞬間にリコが青峰に向けて言った言葉だ。

『あ、ぉ…‥ハッ、ん…っ』

しかしリコは納得出来ないでいた。
なぜなら普段青峰は前降りもなく自分にキス をする。ならば前もってお願いしただけの自分に何の非があるというのか…

『はぁはぁ…っ、アホ…峰…!』

キッ、と青峰をリコは睨み付ける。

「えろ。」
『はっ!?』

『何がよ!?』と口にしようとしたリコの口から漏れた唾液を舌で舐めた。

『////』

そのまま耳の後ろ、首筋、と音を立ててキス をする。

『青、峰…っ』

リコの顔は羞恥で真っ赤に染まっていた。

「なぁ。姫始めって言葉知ってるか?」
『は!?』

ギシッ、とベッドが軋む。

「てなわけで頂きます。」

ご丁寧にも青峰は手を合わせてリコを食しましたとさ。

 
猛獣の瞳


(バカ!!アホ!!)
(…)
(本当にやる奴がある!?わ、私は初詣のために来たのよ…!?)
(…うっせーなー)
(は!?)
(最初に誘ったお前が悪ィ。以上。)
(“以上。”っじゃないわよバカ!!)


・終わり・
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