企画
□未来予約
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正直に言おう。
「え…っ、カントク…、もう一度言ってくれない?」
『だーかーら!!』
うちのカントクは…
『そ、その…っこ、告白された…の…っ』
ヤバいくらいモテる。
あ、モテるモデル。キタ、コレ!!
「え…っ」
ネタ帳を広げるとほぼ同時に火神が驚愕の声を上げた。
『ちょっと火神くん。今の“えっ”って何、“えっ”って!!』
「い、いや意外だなって」
『意外って何よ、意外って!!』
「まぁまぁ、カントク落ち着いて!」
ガルルル、と今にも火神に襲いかかりそうなカ ントクをオレが捕まえて座らせる。
「つーか、その一年誰だ。」
『へ?』
振り返るとズゥ〜ンと独特の存在感を放つ日向。
『ひゅ、日向くん?』
「その一年誰だ。」
とてつもなく今更だけど今日はミーティングだけの予定なので部活はない。だから“お前らバスケしろよ”というツッコミは一切いらない。
『え、えーと、確か…』
皆がカントクに視線を集中させた。もちろんオレ もだ。
『三橋くん――』
言った途端日向たちは部室を出ていった。
『ちょっ、皆!?』
日向たちを追おうとするカントクの手をオレは掴んで止めた。
「ねぇ、カントク。胃がイガっとしない?」
『………………………は?』
******
まぁ、とりあえずフライングみたいにはなちゃったけどオレはカントクと二人で近くの公園にいた。
「カントクはさ。その…三橋(?)の告白受けるかどうかで迷ってるの?」
はい、とミルクココアをカントクに渡してカントクの隣に腰かける。
『ありがとう。
…うーん、確かに100%受けないって決めつけてはいないけど、やっぱり告白は断るわ。』
「なんで。」
『私、彼のことよく知らないし…、バスケ部だってあるもの。』
「じゃあカントクはバスケ部じゃなかったら告白受けるの?」
『それは……、伊月くん…なんか怒ってる?』
「うーん」
なんか納得…
「いかないんだよなー」
『?』
「カントクはさ男前だけど可愛いし、優しいし、」
『はっ、へ…っ!?』
「オレたちを大切にしてくれてるってことはわかるよ。」
『ちょ、ちょちょ、伊月くん!?』
「でもさ。それを告白を受けない理由にするのは違うんじゃない?」
『……っ』
ハッ、としたような表情をした後カントクは申し訳なさそうに言った。
『…そうよね。ごめんなさい。』
「…」
『でも本当に今は…部活に全力を注ぎたいっていうのが本当なの。』
「…」
『だけど、そうよね。こんなこと言われたら確かにいい気分はしないわよね。』
『ごめんね。』とカントクは何も悪くないのに謝った。何も…悪くないのに…。
「ハァ…ッ」
カッコ悪ィー…っ