企画

□悪い癖再び
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※【人の話はよく聞きましょう】(続


最近のサクラの呆け方は以上だ。

『(ポケー)』

好物である白玉餡蜜を前にしてもこの呆け様だ。

『ちょっとー、サクラ?』

そんなサクラを見兼ねてサクラの親友兼ライバルのいのが声をかける。

『(ポケー)』

ダメだこりゃ、と溜め息を吐くといのはある名前を口にした。

『…キバ。』
『!!』

サクラが唯一呆けず、過敏に反応を示す人物の名前を呟いてみたところ、やっぱりね。、といのは笑った。

『近頃のあんた変よ〜?キバとなんかあったわけ?』
『は!?何いいい、言ってんの!?バッカみたァ 〜い!!』

バカはあんただ。、といのは思ったが口にすることはなかった。

『だって前までのあんたらはそこまで仲が良いってわけじゃなかったじゃない。でも、最近のキバはサクラ見つけた途端に犬みたいに駆け寄って行くし、あんたは以上ってくらいキバには反応するし…』
『…ッ』
『あんま親友舐めない方がいいわよォ〜?』

んふふ、と含みある笑顔でいのが笑えばサク ラは参った、と言わんばかりに溜め息を吐いた。

『…なんていうか、その…』
 
ぶつぶつと本当に小さな忍でも拾うのが困難なくらいの音量で話すサクラ。

『―――で告白を…』
『告白ゥ!?』
『ちょっ、いのバカ!!』

『声デカイわよ!!』といのの口を塞ぐとサクラ は警戒するように周囲を見渡す。
運の良いことに店には自分たち以外の客はなく、サクラは安堵の溜め息を吐いた。

『ちょっとちょっと!
サクラ、あんたいつの間にキバとそんな仲になったのよ!?』
『(ギクッ)』

詰め寄るいのにあからさまに目を反らす。

『ちょっとサクラ!?』
『いや、それはー…ってなんでキバってわかるの!?』

ガクッ、といのは後ろにずっこけた。

『(し、知ってはいたけどさー…っ)』

『うわー、いのなんでわかるわけ!?すごいすごい!!』と興奮してるサクラに向けて重い重い溜め息を吐いた。

『で、キバに返事はしたわけ?』
『……………それがつい、逃げちゃうっていうか…、言えないままなんだよね…』

あはは、とサクラは乾いた笑い声で笑った。

『本っ当!あんたはバカなデコリンよねー』
『デコリン言うな!!いのブタ!!』

よくキバも惚れたもんだわ…、といのは思った。
 
『まぁ、サクラはキバが好きなんでしょ?』
『へっ、は!?はい!?』
『見てればわかるってのー』
『嘘!?』

カァ、と顔を染めてしまうサクラの背後に見知った三人が見えた。

『(ふ〜ん)
で、サクラ?好・きなんでしょ?』
『まぁ…、うん。好きだよ…』
『キバ!がァ〜?』
『ああ!もう!!好き!!好きよ!!私はキバが好きです!!』

『もうっ、恥ずかしいっ』と白玉餡蜜をかき集め口にするサクラを尻目にいのは言った。

『だってさー、キーバ!!』
『んぐ!?』

そう、いのが見た三人とは紅班のメンバーだったのだ。

『き、きききキバ!!?』

サクラが後ろを振り返るとキバが笑って手を振っていた。

『い、いいいの!!』
『私は悪くないわよー。気付かないあんたが悪いの。』

『デコリンちゃん』と笑ういのに顔を真っ赤に染め上げたサクラが小さく唸りながら睨み付けた。

「つーかよ、いの。」
『!!』

背後から腕を回し、サクラの頭に顔を乗せキバ が言った。

「サクラがオレを好きだってこと既に知ってんぜ?」

キバの言葉に場が騒然とした。

『…惚気?』
「自意識過剰だな。」
『キバくん…イタい…』
『////』
 
いの、シノ、ヒナタの言葉に慌ててキバのツッコミが飛ぶ。

「違ェーよ!!サクラが自分で言ったんだよ!!」
『…え?』
「え?」

いのとサクラの声が重なり、キバは目を丸くした。

『私キバに言った?』
「言ったわ!!つーかオレより先に言ったのお前だかんな!?」
「『…』」

サクラとキバの会話で皆が悟った。
あぁ、またサクラの悪い癖か。、と…


悪い癖再び


(つーか、付き合ってると思ってたのオレだけ!?)
(えっ、付き合ってたの?)
(グサッ)
(え?えっ?どういうこと!?ちょ、ちょっといのーっ)
(サクラが悪い。)
(サクラが悪いな。なぜなら――)
(サクラさんが悪いと思う、な…)
(エエェェェエエエ!!?)


・終わり・
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