企画
□純愛サーキュレーション
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生まれて初めて、彼氏ができた。
告白は向こうからだったけど私もその人が好きで、つまりは両想いだったのだ。
付き合ってまだ7ヶ月。けれど彼は大学生で私は高校生。なかなか会えないでいた。
そんな時、彼からの一通のメール。
[明日暇か。]
絵文字も顔文字もなにもない質素な文章ではあったけれど私を喜ばせるには十分すぎるそれに私はすぐにメールを打った。
[はい。明日はなにもないので暇ですよ。]
ドキドキしながら送信する。そしてすぐに携帯が震えだしメールを見る。
[なら放課後会わないか?]
決定的な放課後デートの誘いに口を押さえながら私は机をバンバン叩いた。
[はい!私も宮地さんに会いたかったから嬉しいです。]
少し積極的すぎるかな?、と思いはしたものの間違いなくそれは私の本心であるから恐る恐るメールを送信する。
[オレも相田に会いたい。早く明日になるといいな。]
着信音にビクッと肩を震わせ、恐る恐る携帯を開けるとそんな殺し文句。
携帯片手にプルプル震えながら机に額をこすり付けた。
[…楽しみにしてます。]
メールを送信すると私はふかふかのベッドに飛び込んだ。
『うふふふ…っ』
明日はなにを着ていこうか? あ、そういえばこないだ宮地さんに似合うと思って鉄パ イプ片手に笑う熊のキーホルダーを二つ買ったんだっけ?それも渡そう。…でもお揃いなんて嫌かしら…?
『〜♪』
なんてことをたくさん考えながら私は携帯を握り締めた。
『(明日が楽しみだわ…)』