企画

□全面戦争
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リコは困っていた。

「モデルかなんや知らんけど、相田さんに手出さんといてくれんか?」
「ハァーッ 皆してモデル、モデルってなんなんスか本当。つーか、アンタにそんなこと言われる覚えないんスけど?」
「ああ、気悪くしたんなら謝るわ。
でも自分の周りごっさ可愛い女の子いっぱいやろ?本当羨ましいわ。」
「…嫌味にしか聞こえないんスけど。」

リコの目の前では何人かの男達が口論をしている。

「黄瀬から聞いたけどアンタ…えーと、笠松、だっけ?」
「“先輩”付けろ“先輩”を。」
「あ、そーいうのめんでーから。
で、女嫌いなんじゃねーのかよ。」
「…おい。どさくさに紛れてなに相田の肩抱いてんだ。」

リコは肩に置かれた手を笠松が叩き落とした。

「毎度毎度カントクの前に現れてストーカーですか。友達いないんですか。」
「ハァ?お前らがオレの行く先々にいんのが悪ィーんだろ。バァカ!!」

リコは思った。

「運命がどうとか、本当にお前らなんなんだ!?」
「緑間真太郎なのだよ。」「高尾っす」
「そんなこと知っとるわ、ダアホ!!」

――状況説明を誰か私にしてください。


 
今から約一時ほど前の話だ。
リコ、黒子、日向の三人は部活で使う備品を買うために都内有数の大型スポーツ用品店へ来ていた(なぜ買い物のお供が黒子と日向なのかは長くなるので省略させていただく)。
まぁ、そうこうしていると始めは海常の黄瀬と笠松と遭遇した。続けて桐皇の青峰と今吉、秀徳の緑間と高尾。そして最後に霧崎第一の花宮と遭遇していき、今のような口論が始まった。

「あー、もう!!青峰っち!!」
「んだよ!うっせーな!!」
「なんなんスか、あの人!?マジで怖いんスけど!!」
「知らねーよ!!」

とりあえず店側の迷惑になる、とスポーツ用品店から出て今は公園に移動した。

「わーん、青峰っちがいじめるッスよリコさーん!!」
『え――っ?』

ジー、とどこか遠くを見ていたリコに大きな影が被さった。

「て、てめ黄瀬!!相田から離れろ、バカ!! 」

それにいち早く反応し、影の正体である黄瀬を叩く笠松。

「痛って!なにするんスか笠松先輩!」
「お前が相田に抱きつくからだボケ!!」
「大丈夫か。カントク。」
「黄瀬君最低です。」
「いねや。」
「マジねーわ、黄瀬。」

笠松に叩かれ、皆からは中傷を受けた黄瀬君は「ひどいッス!!」と言うと涙目で続けた。
 
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