企画

□ようこそお嬢様!!
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※元帝光中バスケ部がホストになったようです



目の前にはスーツ(一人和服)を着こなす、まぁ一応知り合いっちゃ知り合いの男の子が六人。

「シャララ系男子☆」
「…影薄系男子」
「眼鏡系男子…ってなんなのだよ、眼鏡系男子って!?」
「あー、たく…めんどくせーな…っ、オレ様系男子!!」
「えーと…うーん…お菓子系男子?」
「和風系男子。」
「アナタは誰を指名する!?」

さて、私の返答は…?

『……えーと、帰っていい?』


ようこそお嬢様!!



「あーっ、来て早々帰るとかダメッスよ!!ダメ !!」

回れ右で出て行こうとするリコの手を咄嗟に黄瀬が掴み引き止めた。

『黄瀬君、離して。私にはやるべきことがあるの…!!』
「なにどっかのヒロイン演じてんスか!?
つか黒子っち痛い!!足!足踏んでるッスよ!? 」
「あ、すいません。あまりにも黄瀬君が憎らしくて。」
「えっ!?」

真っ黒いオーラを背負った黒子が黄瀬からリコ を奪い去る。

「カントクに気安く触るなんて死刑罪です。というか【影薄系男子】ってなんですか。」
「だってまんま黒子っちを引き出すにはそれが一ば」
「死ね。」
「でえぇぇぇえええ!!?」

大好きな黒子によって心に傷を負った黄瀬は部屋の隅で水溜まりを作る。

『あの…黄――』

『黄瀬君大丈夫?』と言おうとしたリコを背後から紫原が抱きしめた。

「リコちんリコちん、ポッキーゲームしよー」
『はぁ!?』

よく見ると片手にポッキーの箱を持っている。――本気だ。

『うぷ…っ』

紫原に意識を持っていきすぎて、目の前を影が覆ったと気づいた時には目の前を何かが覆った。

「あ、待て。紫原。」

それが青峰であることに気づくのに大した時間はかからなかった。

「なんだよ、峰ちん。邪魔すんの?」
「あー?邪魔するもなにも、リコはオレのなんだよ。勝手に手出すな。」
「は?」

紫原は顔をしかめると青峰を睨み付けた。そしてリコも否定の意味も込めてもがもがと暴れる。

「嫌がられてるし。峰ちんカッコ悪ー」
「ハッ!照れてんだよ。」
「二人共僕を忘れないでください。」

突如二人の間に入りリコを拐うのは、言わずもがな黒子だ。

『く、黒子君ありが、とう…っ』

巨体の壁に潰されかけていたリコは救いとばかりに黒子に感謝した。

「いえ。」

だが忘れてはいけない。この話の黒子は真っ黒子であることを…。

「ではカントク。ポッキーゲームをしましょう。」
『は!?』

いつの間に食わえたのか黒子は唇の間にポッキーを挟みリコに詰め寄る。

「さぁ、カント」
「止めるのだよ!!」

ポッキーの端がリコの唇に触れそうになった瞬間、黒子の体が横に吹き飛んだ。

『!?』

突然のことに目を見開くリコだが、その表情には安堵のそれも潜んでいた。

「まったく、お前達はもう少し遠慮を覚えろ!!」

「大丈夫ですか?」とリコに手を差しのべ、それを受け入れられた緑間にはもちろん外野からの批判の野次が飛ぶ。

「むっつり眼鏡」
「ミドチンの鬼畜眼鏡ー」
「緑間君死ね。」
「…っなんなのだよお前達は!?
というか紫原!お前よく鬼畜なんて言葉知ってるな!?びっくりなのだよ!! それと黒子!!死ねとはなんだ、死ねとは!?」

ガミガミ怒る姿はまるでキセキの世代のお母さん。

『(なんか、もう無茶苦茶ね…)』

周囲を見回すと赤色がいないことに気づく。

『(どこに――)』

探そうと周囲を見渡した瞬間

「…っいいスもん、いいスもん!」
 
半泣き状態の黄瀬君が抱きついてきた。

「黒子っちなんて知らないッス!!リコさん慰めて!!」
『え!?あたしが!?』
「黄瀬ちんなにしてんだよ」
「てめぇあんま調子乗んな。潰すぞ。」
「黄瀬君。一度でいいから死んでください。」
「リヤカーにでも轢かれろ。」
「うわーんっ なんなんスか、皆して!?いじめてカッコ悪いッスよ!!」
「知るか。」

黄瀬君が制裁を受けているのを尻目に私は部屋を出た。

 
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