企画

□久々の再会は
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『ギャアーー!!』

そんな時、向かいの席でカントクの叫び声。

「んー、うっしぇーあいにゃーっ しばくぞー」
『な…っ、な…っ!!』

そちらに目を向けると宮地さんがカントクに抱き着いていた。

「(つーか)」
「(なにカントクの胸に顔埋めてんのおぉぉぉぉお゙お゙お゙!!?)」

いくらカントクの胸が乏しいからって!!小さいからって!!むしろないからって!!そんなん許されるわけねーだろおぉぉ!!?

「あだ!!」
『今あんたら失礼なこと考えたでしょ!?』

ビール瓶(空)がもろ眉間に当たり悶える。
…っ超いてー…っ

『てか宮地さんお酒くさっ!!』
「んー?あー、酔ってやい、酔ってやいから平気〜」

はっはっはっ、と笑う宮地さんに再び殺意が目覚めた。なぜなら、笑いながらぐりぐりと頭をカントクの胸に押しつけているからだ。

「よし、黒子。殺れ。」
「はい。」
「いやいやいや、部長!!と黒子!! 流石にそれはバレるから!!」
「バレなきゃいいんだろ?なら黒子なら平気だ!」
「いや、伊月先輩。その親指下向いてね?…です」
「あ、つい」
「あはは、どんどん殺っていいぞー、黒子!」
「あんたもか!!」

いつの間にか中立に立ち始めた火神にオレは言った。

「火神。今さらカントクに媚売ろうたってそうはいかねーぞ。」

グイッ、と黒子挟んだ向こうにいる火神を引っ張り小さな声で言った。

「お前だって羨ましいだろ!?
どんなに小さいとは言えカン――あだ!!」

またもビール瓶が飛んできた。次は脳天直撃。

「……、まぁ…なんだ。羨ましいだろ!?」
「そりゃ羨ましいっすけど…」
「だろ!?つーことでお前は黙れ!!」
「いやいやいや!えっ!?」

無理矢理火神を静めて、黒子にGOサインを出した瞬間――

「あいにゃうるへーよ」
『!?』

宮地さんはむくっ、とカントクの胸から顔を上げるとその唇に噛みついた。

「なっ!?」

カントクと宮地さん以外の全員の声が重なった。

『////』
「ん?顔真っ赤らなー」

ぺちぺち、とカントクの柔らかそうな頬を叩く。

『み、やじさ…っ』
「…相田…」

さっきまでのふわふわした雰囲気が急になくなって、真剣な顔つきになる宮地さん。

「(ヤバい…っ!!)」

近づく二人を頭は理解しているのに体が反応を示さず、目を見開いた瞬間――

「ひが!!」
 
バチンッ、と宮地さんの眉間に輪ゴムが飛ぶ。

「カントク、危ないところでしたね。」

そしていつの間にかカントクの隣に来て、カントクの手を握ってる黒子。 もしかしなくても、輪ゴムを飛ばしたのは黒子、お前か!!

「(よくやった黒子!!)」

カントクの手を握ってんのはムカつくけど、とにかくナイス!! とオレ達は親指を立てた。

『え?え?黒子君!?いつの間に…っ、てか宮地さん!?』

突然目の前に現れた黒子に目を白黒させるが、その後ろで完全伸びてる宮地さんに驚愕の声を上げた。

『と、とにかく宮地さん運ばなきゃ…っ、黒子君手を離』
「大丈夫です。秀徳の皆さんがどうにかしてくれますから、ね?」

この時ほど黒子の真っ黒さに感謝したことはない。

「あぁ。木村、頼んでいいか?」
「おう。」

木村さんと宮地さんが隣の部屋に引っ込む。

「相田…、宮地がすまない…」
『あ、いえ、全然平気です。いつものことですし!』
「(いつも!?)」

あはは、と当然のように笑うカントクだが自分が落とした爆弾の重さに気づいているんだろうか…

「じゃあオレは店員さんに水でも貰ってくるわ。」
『あ、はい。…宮地さんを頼みます。』
「ああ。」

大坪さんが出ていくと一気に静かになった。

『皆?』
「…カントク」
『(ビクッ)』
「いつもって…どういうこと?」

伊月の質問に気まずそうに目を反らすカントク に嫌な予感がめぐる。

『えーと……実は私…宮地さんと付き合っててそれで……って皆!?』

気づけばオレ達は居酒屋から飛び出し夜空に向かって叫んでいた。

「リア充爆発しろーー!!」


久々の再会は


(おい、宮地。てめぇ起きてんだろ。)
(あ?)
(たくっ、見せつけやがって嫌味か!!)
(嫌味?違ェーよ、牽制。)
(これ以上オレの相田に近づいたら軽トラで轢く、っつーな)
(…ハァ、お前以外と独占的強くね?)
(相田限定だけどな。)
(へーへー)


・終わり・
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