企画

□サプライズ
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ケーキ・飲み物・食い物よし!蝋燭本数共によし!部屋の飾りよし!あとは…<ピンポーン>

呼鈴が鳴り、急いで手に持っていた物を机に仕舞うと窓から外を見る。

『あっ、日向君!』

オレに気付きカントクは笑顔で手を振ってきた。

『(かっ、かわ…っ!!)』

カントクの笑顔は鼻血もんでにやけそうになるが、顔を引き締めて手を振り返す。

「今行くな!」

そう、今日はカントクの恋人になって初めての誕生日。今日は親もいないしカントクを家に招いて、カントクの誕生日を祝うサプライズを計画していた。
あ、一応言っとくがオレとカントクは清いお付き合いをしてる。だから下心なんて……………、ないこともないこともなくもない。

「(いや…まさか。そんな…、いや…)」

んー、と唸りながら一階に下りてきて顔を引き締める。

「(とにかく今日はカントクの誕生日だ。)」

失敗なんかしてカントクを泣かせたくなんてない、と意気込みドアを開ける。

『日向君!』
「…っ」

可愛い笑顔で笑うカントクにグラッ、とオレの中で何かが揺れた気がしたが持ち直す。

『今日はありがとう!これ、お礼に。』
「あ、おう。ありがとう」
 
『お邪魔しまーす』と慣れたようにドアを潜るとオレはドアを閉めた。

「寒かったろ。」
『んー、別に寒くはなかったけどちょっと風が強くて歩き辛かったかも。』

二階に上がる階段を一段上がる度に少しずつ緊張してきた。

「(カントク喜ぶかなー…)」

カントクの喜ぶ姿が見たくて頑張りはしたが、いかんせんカントクは結構冷めてる部分がたまにある。

「(ま、しゃーねよな。)」

なるようになるしかねーんだ、と自分に言い聞かせて部屋のドアを押す。

『!』

部屋に入るとカントクは足を止めた。

「あー…、えっと…今日カントクの誕生日だろ?だから…」

やっぱりサプライズで祝うなんて止した方がよかったのかも、と不安に思っているとカントクが振り返りそのままオレに抱きついた。

「!?」

ちょ…っな…!?

『嬉しい…っ!!』
「は…?」

突然のことにすときょんな声を上げてしまった。

『私の誕生日覚えててくれて嬉しい!ありがとう!!』

しかしカントクは気にした風もなく喜んでいた。

「(よかった…)」

単純にカントクが喜んでくれたのが嬉しかった。

「んじゃ、誕生日パーティー。始めるか!」
『うん!!』
 
オレはカントクの手を引くと部屋の中に招き入れた。


サプライズ



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