企画

□バカップルも大概にしろ
1ページ/2ページ



私の彼はツンデレだ。

『ねえねえサスケ君!!』
「鬱陶しい。腕に巻き付くな!」
『ぷーっ』

彼は人前では私を邪険に扱うけど、家だと180度変わる。


******


『…』

ある日の私は雑誌を読んでいた。

「サクラ」
『んー?』

そんな私の傍に来てサスケ君が呼んでいる。
でも本当に雑誌のいいところを読んでいるのだ。だからサスケ君の方を見ずに生返事を返した。

「…」

そうしたら彼が何をしたか。

『わっ、きゃ!』

私の腰を引き寄せて、そのままソファーに寝転がったの!

『ちょ、サスケ君…?』

顔を上げ『今読んでるんだけど』と不満を漏らそうとしたら唇に塞がれた。

「黙れ。」

浅いものから深いものへ移行していくそれは頭がショートしてしまいそうになるほど濃厚で激しかった。


******


『で?』

気づけば、ずいっとテーブルを挟んだ向かいのいのが間近に迫っていた。

『えっ?』
「山中。近い。」

すときょんな声を上げた私の隣に座っていたサスケ君が不機嫌そうにいのの肩を押した。

『サクラーっ
アンタねェ、そんなノロケ話を聞かせるためにこの私を呼んだわけー?』
『ノロケ?』
『(無自覚…っ)』
 
いのは額に手を当てながら溜め息を吐いていた。
…いのったらどうしたのかしら?

「サクラ。」

名前を呼ばれサスケ君の方を見ると「あ。」と口を広げていた。

『……』

ああ。

『ふふ…、はい。あーん』

食べていたサラダのトマトをホークで刺しサスケ君に向ける。
すると「黙れ」と一言言いながらサスケ君は大人しく食べてくれた。

『…いの?』

上機嫌でいのの方を見ると青い顔で震えているいのが目に入った。
その顔には“ありえない”という架空の文字が浮かんでいた。

『どうしたの?』
『……っサクラ』
『?』
『アンタ…っ、ていうかアンタ達が私は恐ろしいわ…っ』

とか意味のわからないことを言ういのに手を伸ばそうと動かした右手はなぜか動かなかった。

『サスケ君?』

まぁ、サスケ君に掴まれてしまったのだから当たり前なんだけどね。

「帰るぞ。」

手を引かれ立ち上がる。

『えぇ。お願いだからそうしてくれる?』

いのにもそう言われてしまい、私は意味のわからぬままサスケ君に手を引かれ店を出ていったのでありました。

 
バカップルも大概にしろ


(ハァーッ!! なんなのよ!たくっ)
(い、いのさ…っ落ち着)
(これが落ち着いていられるわけないでしょーっ!? 目の前でイッチャッコライッチャッコラと!!私に対する嫌味!? てかサクラは私のなのにィー!!)
(もうっ、いの泣かないのー! いいじゃないサクラが幸せならさ!!)
(テンテンさんはアレを見てないから言えるのよーっ!!わあーん!!)


・終わり・
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ