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□さまようエイリアンの手
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俺が今までに出会った人間の中でこんな関係性をもつものなんてひとりもいなかった。どこにも上手くカテゴライズされない。友達でもライバルでも恋人でもましてや血縁者でもない。
…いや、逆にそのすべての要素を持っているとも言えるのかもしれない。
とにかく俺の二十数年の人生の中では極めて異質な、唯一無二の存在。

それが彼である。




午前一時半、俺の胸がぶるぶる震える。

「…」

ソファに横になっていた体をのろのろ起こし震える胸元に手を突っ込んだ。

白いそれは青い光を放ちながら遠く離れた彼からの言葉を伝える。

便利な世の中だ。天人が持ち込んだ技術ではあるが、俺達は十二分にそれを享受している。

ほんの気まぐれで買った携帯電話。

決して彼のせいではない。

メールを確認すると、ひとつ大欠伸をしてから出掛ける準備をする。

かぶき町は深夜も明るい。月のない今日でさえ輝くネオンが太陽になりかわろうとでしゃばる。

外に出た銀時は逃げるように街へと消えていった。


彼からの簡潔なメッセージ
『酒が足りない。大至急持ってこい』





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