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□さまようエイリアンの手
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「お前酔ってねェだろ」

ぼんやりと砂利を眺めていると不意に声がかかる。大量の空き缶や空き瓶に目を遣り彼は溜め息をつきながら言った。

「だったらなんだ」
「…べっつに」

男女だったら新たな未来を生むことが出来たのだろうか。

自分が考えてしまったことのあまりのくだらなさに石に頭を打ち付けたくなって自嘲する。

「…オーイ。いつにもまして瞳孔開いてんぞ」
「酔ってるからだ」
「嘘つけ」



「…なにが知りたいんだテメーは」

思わず口をついて出てしまった台詞に一瞬で後悔した。どんな答えが返ってきたとしても俺の首を絞めるだけだ

「なんでもない。忘れてくれ」

「……そっくりそのまま俺が聞きてェよ」

「いい。忘れろ」

「お前にもどーいうつもりか聞きてェし俺自身にも問い質したいさ」

「もういい。やめろ」

「でも戸惑うだろ。そりゃいろいろと…。いきなりマジになんのもガラじゃねェし」

「ッやめろ!」

たまらずそう叫んで彼を睨む。そこでこの日彼と初めて目を合わせたことに気付きギクリとする。

死んでいない目。


俺を捕らえて逃がさないようにその目で鋭く射る。



「あいしてる」






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