通常文
□姫の機嫌を損ねるな
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「「…ッ」」
ここまで来ると反論のしようもない。怒りやら照れやらで顔は青ざめるのに頭に血が昇り、唇は動くが全く言葉が出てこない。
「お互いなんて呼び合ってるアルか?」
「…へ?」
「後学のために聞きたいアル」
「後学って…」
瞳を煌めかせる少女、と思っていたが、もはや酢昆布をくちゃくちゃかじりながらニヤリと微笑むその顔は午後1時半の主婦そのものだった。
「い、いや普通に…」
「普通じゃわかんないアル」
「だから一般的な…」
「照れるナって。いつもどおりにイチャついてくれて構わないヨ」
いつもどおりって…。
イチャついたことなんてねーよ神楽ちゃん。
お前はどこのワイドショーリポーターだ神楽ちゃん。
梨元かよ神楽ちゃん。
頼むから今すぐ星帰ってくんないかな神楽ちゃん。
「ねェねェ教えてヨ!」
あ〜もうこのガキ殴り飛ばして逃げてェよォォあっ無理か逆に容赦なくボコられンな。
「……き」
イヤイヤ待てよこのマヨラーと二人でやれば俺が逃げる隙くらいは付けるかもコイツが的になってる間に窓から飛び降りてほとぼりが冷めるまでどっかで雲隠れ…
「銀時!」
「ンだようるせェな!今考え事………え?」
「…銀時。コイツどーにかしろよ」
「へ?…イヤ、いま、ぎんとき、って…」
聞き慣れた声が初めて聞く言葉を紡いだことに驚愕して呆然としていると真っ赤な顔を盛大に歪めた男の顔が近づいてきた。
「は?…ちょっ…んぅ!」
「!!」
なんで?
なんでコイツ今ちゅうしてんの?
、