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□となりのせきのしらいしくん 08
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(となりのせきのしらいしくん)
午後の授業って眠くなる。
しかも国語って…!
まるで呪文のように聞こえる朗読に私はうつらうつらしていた。
(もう、寝ちゃおうかな…)
机の上に広げたノート、教科書を下敷きに机に突っ伏した。
まぶたを閉じるとすぐに夢の中へ―…
「………」
ガタンッ
せっかく夢を見始めた私の意識は、大きな音によって強制的に醒まされた。
頭を起こしてきょろきょろ見渡すと白石君と目が合った。
「あ、大きい音出してもうてごめんな」
白石君は少し困ったような笑顔を見せながら小声で言った。
(さっきの音……)
確かに音にはびっくりしたけど、白石君は悪くないよね。
その考えに到達した私は「大丈夫」の意味を込めて首を横に振った。
そんな私を見て、白石君は優しく笑ってくれた。
今度は困ったような笑顔じゃなかった。
「おおきに
でもせっかく気持ちよさそうに寝てたのに、ほんまごめんな」
(寝てたのに…?)
白石君の言葉の意味を理解して、顔に熱くなった。
急に恥ずかしくなった私は慌てて首を振り机にもう一度突っ伏したのだ。
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(白石君に寝顔みられた!)
(耳まで真っ赤になってもうて、ほんまかわええな)