tennis,D

□大好きだから
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私は、幼なじみの一氏ユウジの事が好きだった。

私は、小学生の時に親の仕事の都合で大阪に引っ越してきた。
引っ込み思案で人見知りする私にとって知らない土地での生活は苦しいものでしかなかった。

周りの子達が仲良く話しながら帰る中、私は一人寂しく下校していた。
悲しくて、寂しくて、何でこんな思いをしなきゃいけないの?って思った。

「なんや、泣いとんのか、自分」

1人の男の子が横から私の顔を覗き込んできた。
私はただただ首を横に振った。
(泣いてない泣いてない…)
必死にそう思ってる内に東京の友達を思い出して、涙がこぼれた。

「…ぅう…」

私は立ち止まってスカートを握り締める。
ただ俯いてボロボロ涙をこぼしていた。

「泣くなや!悲しいんやったら俺が笑わしたるわ!」

そんな風に声を掛けてくれたのがユウジ君だった。

「お前んちこっちやろ!一緒に帰ったるわ」

ユウジ君はグズグズ泣いてた私の手を掴んで家に向かった。
私の家に着くまでの間、ユウジ君は面白い話を沢山してくれた。
私も落ち着いて、だんだんユウジ君の話に耳を傾けられるようになった。
ユウジ君の話が面白くて笑った。

「俺んちこの近くなんや。せやからまたおもろい話して笑かしたるわ!」

「…ぁ、りがとぅ」

「おん」


これが私とユウジ君の初めての出会いだった――…

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