DARK
□おかしいよ、ねえ。
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彼が狂ってしまったのは、だいたい半月前からくらいだっただろうか。
血糊がベットリこびり付いた六幻という刀を持った彼も、六幻と同じく血塗れだった。
それはバズを殺害したという証拠に他ならなかった。それに、そんな赤に染まった彼の足元にはバズの頭部が転がっていたし。
第一発見者である僕はまず彼を僕の部屋に押し込んだ。とりあえず鍵をかけておく。
現場に戻り、事後処理をした。血を拭い、壁を白く塗り、バズの死体は僕の部屋にとりあえず運んだ。ここまでやる間、誰もこなかったのは、ここが彼―――神田の部屋だから。
「どうしてあんなことを?」
「…誰か殺したくてよォ…」
バズの死体は毎日少しずつ、バズの身体を砕いたものを生ごみに混ぜて捨てた。
ものの半月ほどで死体は残り半分となった。そして話は現在に至る。