DARK

□『 』の花嫁。
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その昔あるところに、
とても美しい三人の姉妹がおりました。

ある日、貴族と名乗る紳士がやってきて言いました。

『美しい姉妹のうち、ひとりが私のところへ嫁に来なさい』

貴族と結婚できるなんて!と
とても姉妹は喜んで
長女が嫁に行くことになりました。

『きみはとても美しいから、この花がよく似合うね。これを髪飾りにしなさい』

長女は美しい花を髪飾りにして、

買い物をしたり、
おいしい食事をしたり、
一日楽しく過ごしました。

しかし次の日に、
紳士は残った姉妹のもとへ
再びやってきて

『やはり、お前が私の嫁になりなさい』

と、次女に言いました。

次女は喜んでついていきました。

しかしその次の日、
紳士は残った姉妹のもとへ再びやってきて
こう言いました。

『やはり、お前が私の嫁になりなさい』

三女は、ふたりの姉が帰ってこないので
不審に思っておりました。

ふたりの姉を捜すため、紳士について行きました。

『この部屋だけは、決して覗くんじゃないよ』

そう言って、三女の頭に綺麗な花をつけてやりました。

『まあ、なんて綺麗なお花でしょう』

三女はそれを花瓶にさしました。

そして、そこで明らかになった真実―――。







“悪魔の花嫁さがし”より。





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