星に落ちる


□06
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「まぁ、もう日が暮れたから今日は休むか。」

そう言いながらチラッと棗を見ると、
ベッドの感触を確かめる様に再びゴロゴロと寝返りを打ちまくる。
これじゃあ、俺寝れそうにねぇわ。
そう思いながらソファーへと移動する。
もう、このソファーで寝ればいいか。
いつの間にか静かになったベッドへ視線を移せば、既に寝ていた。
寝顔がなんともアホ面である。

「俺がウィンカーと戦ったとき、確かヘラしか投げてなかったのになんでアイツ…」

こんなにすぐ寝てんの?といいかけてやめた。
体を動かさなくたって、心は疲れちまうもんな。
トリップして、すぐに卿と遭遇しちまったしな。

「ムニャ…茜のあほー…」

殴りてぇ

ソファーにごろりと横になって瞼を閉じれば、すぐに意識は沈んだ。



夢の中

白い場所に、真っ黒な自分だけが突っ立ってるっていう摩訶不思議空間に俺は居た。

『やぁ、茜くん』
「!?」

突然、後ろから話しかけられて驚く。
振り向くがそこに生き物は居ない。

『あははw面白い反応ww』
「…………。」

ケラケラと笑うような声だけが響く。
ホラーを通り越して「なんじゃこりゃあ!?」な感じ。
まぁ、察しはつく。
夢女子でもある俺をなめるな。

「なんの用だよ神様さん」
『なんか敬称おかしくない!?』

気が動転してるって訳じゃない。
なんとなくだ。なんとなく。

『ふーん…まぁいいや。
ボクね、棗ちゃんに助けてもらった神様なんだけどさー』
「おう。」
『君にとって大事なこと、彼女言ってなかったんだよねぇw』

俺にとって大事なこと……?

『言おうとしたら時間なくなっちゃったwごめんwww』

そう神様が言うと、白い空間がどんどんカラフルに染まっていく。

待って

だなんて乙女過ぎて言えるわけがない。

「じゃあ、次に会った時に教えてくれよ」
『はいはーい♪』

波紋が生じて、夢は終わりを告げた。
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