SKE〜栄〜

□いつか。
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今日は東京でのAKBさんの仕事が終わり、久しぶりに名古屋に帰ります。

珠理奈と二人で新幹線に乗るのは久しぶり。

珠『明日って何時集合だっけ?』

玲『11時だよ。』

珠『じゃ少しゆっくり寝れるなー。』

最近は、テレビ収録や握手会、珠理奈に至っては、AKBさんのドラマ撮影と忙しかった私達。

珠理奈はヘッドホンをして、目をつぶった。

私はブログでも更新しようかと携帯を開いた。

途中、ウトウトしていたせいもあって、あっという間に名古屋が近くなった。

珠理奈はギリギリまで寝かせてあげようと思っていたら、ぱちっと目を開けた。

玲『少しは休めた?』

珠『考えごとしてた。…ねぇ玲奈ちゃん?私たちもいつか、卒業するんだよね。』

いきなりの言葉に驚いた。

今までそんな話したことなかったから…。

玲『いつかは卒業しなきゃだね。どしたの?いきなり。』

珠『春にさ、9人も卒業しちゃうじゃん?』

玲『うん。』

珠『いつかは卒業していくのは、わかってるつもりだったんだけど…寂しいね。』

玲『そうだね…。』

珠『…。玲奈ちゃんもいつかは卒業しちゃうんでしょ?』

玲『そうだねー。いつかはね。』

珠『急に居なくならないでね?』

玲『どうしたの?何かあった?』

珠『一緒にいるのは、当たり前じゃないんだなって。最近特にそう思うから。』

責任感の強い珠理奈は、今回のメンバーの卒業も表には出さないけど、相当ショックを受けているんだろう。

そして忘れがちだけど、まだ15才なんだから。

色んな事を割り切るには、本当は若すぎる。

珠『SKEで叶えたい夢って、まだたくさんあるでしょ?』

玲『そうだねー。まだまだあるね。』

珠『その夢を叶える瞬間はね、やっぱり玲奈ちゃんに隣に居て欲しいんだ。』

いつからだろう。

Wエースと言われ、自分たちが思う以上に比較され始めたのは。

もともと、持っている物が真逆な私たち。

だけど、一つだけ共通すること。

SKEが大好きなこと。

SKEに対する気持ちは、同じ方向を向いていたから頑張れた。

そして何より、1番年下の珠理奈が1番頑張っていたから、私たちはここまでこれた。

玲『珠理奈。この前のAKBさんの東京ドームみたいなコンサート。SKEでも、あんな風にやりたいね。』

珠『そうだねー。もっと頑張らないといけないね。』

玲『いつかは、卒業しちゃうけどさ…その時はお互いに最高の笑顔でいたいねっ!』

珠『そうだね。』

玲『でも…珠理奈の隣に、私じゃない人が立ってるの見るの複雑かもっ(笑)』

珠『じゃあ卒業しなきゃいいんだよ。…それか一緒に卒業すればいい!』

玲『珠理奈が卒業する年齢まで、私SKEに置いてもらえないよ(笑)』

【じゃあ卒業しなきゃいいんだよ。】

そう言った時の珠理奈の目は、寂しがり屋の甘えん坊だった。

珠理奈。

私が卒業する時は、珠理奈が1人でも大丈夫って安心した時だよ。

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