短編2

□愛しているのにすり抜ける
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これの続き





 いかがわしいホテルのピンクな一室に、一人の声と水音と、機械音が響いていた。
 音の出所である赤司は、キングサイズのベッドの横にある分娩台に開かされた足を固定され、手も肘掛けに縛りつけられた状態で座っていた。体には半透明の白いローションが垂れ、赤と黄の瞳は黒い布に覆われ、乳首はコードがついた黒いクリップに挟まれ。後孔はディルドに荒らされ、性器はオナホールに包まれていた。


「アッ、やっ、やらっもっ、あッあああッ」

「…………」


 乱暴な手がディルドを無造作に動かして後孔をかき混ぜると、ビクビク体を痙攣させた。何か香水の匂いがしたと思ったら乳首のクリップに電流が走る。
 赤司には、誰がこんなことをしているのか分からない。


「ひっん、んぁあ! …ひゃあ! や、だ、…も、やぁ…!」

「…………」

「ぅう…、ふっんん……だれ、なの、ッァっああッアアアッ!」


 怒ったように、大きな手がオナホールを上下に動かす。不自由な体で背を反らして逃げようとするが叶わない。
 どこか神経質に後孔に何かが入れられる。小さな粒のようなものがいくつも。赤司は知らないが、それは真珠のような珠が五つ連なった玩具――アナルパールだった。五つ全てが収まった次の瞬間、それは勢いよく引き抜かれる。内壁を引っ張られる感覚に、赤司はまた、絶叫した。


「っはあ…っ、はっ…ッン! ぁ、う、んん…っ――…………え……てつ、や…?」


 深いキスをされ、唇が離れたら、目隠しを解かれた。そして目の前に見知った顔を見つける。

 黒子テツヤ。元チームメイトで、つい先日まで赤司がこの世の何より執着して、愛していた五人のうちの一人。


「随分よがってますね、赤司君。気持ちいいですか?」

「な……んで、テツヤ、が――ふあっ!?」

「オレ達もいるぜ。ちゃんと見ろよ」


 快楽も痛みも忘れて黒子の水色の瞳を見ていたら、乳首のクリップに電流が流れた。コードを辿ってみるとスイッチを握った青峰がいた。周りを見ると、紫原も緑間も、黄瀬もいる。
 ようやく思い出した。洛山のみんなといたら、キセキと会って、一緒に遊ぼうと誘われたことを。頷いて街を歩いて、そこからの記憶は、ない。
 思考に没頭しようとした赤司に緑間が近付く。テーピングされていない方の手には、鉛筆より少し細い銀の棒があった。使い道は知っているから体が強ばる。


「っ、しんたろ、それ、や…っやめ、て…!」

「…ほう。何に使われるかは分かっているのだな」

「ぁ、い、…やあっやぁぁああッ! いた、い…っ!」

「そうは言っているが、そこまで痛がってはいないようなのだよ。洛山の奴らにしてもらったことがあるのか?」


 尿道に突き刺されたソレを抜き差ししつつ、緑間が問うた。答えはイエスだが首を振れない。ただ嬌声を上げる赤司に緑間は、答えるまでそのままだと言い放った。そして赤司の体を拘束しているものを解いて、ぐったりしている身体をベッドに運んだ。右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれ手錠で繋げられ、足が強制的にM字に開いた。仰向けの体勢でディルドを勢いよく引き抜かれて空イキした直後、緑間の性器が挿入される。


「ぁあッん、アッ! ひ、ぎ、ぁ…っ、」

「どうしてこんなことをされるのか、と思っていないか?」


 ガクガク揺さぶられながら頷く。緑間は尿道の棒をくるくる回しつつ、赤司を突き上げつつ、話した。


「オレ達全員で教えてやるのだよ。……それにしても、このキツさは初めてではないな? やはり洛山が…」

「や…も、やだっぁ! し、たろ…だしたい、から、抜いて…っ!」

「尿道に棒を突き刺されてもアナルに性器をぶちこまれても感じるとは……しばらく見ないうちに淫乱になったな、赤司」

「そ、なこと……ひうっぅっああっ! ふっ、やぁぁ…あんっ」


 緑間が達し、性器が引き抜かれる。パクリと開いた後孔から白い精液が溢れた。
 後ろへ下がった緑間の隣を歩いて前に出た紫原が、ピンクのローターでクリップに挟まれて赤く腫れている乳首を両方押し潰した。


「赤ちんさあ、なんで洛山の奴らなんかとなかよくなってんの? あと、目隠しん時オレらのこと分かんなかったのムカつく」

「あつ…アアァぁあ! や、らめえっ、そこ……ああぁぁう、っふやああっ!」

「『そこ』じゃどこかわかんねえし。ちゃんと言わないとやめてやんね」

「んぅ、ふえ……ち……ちく、びの、やら…………っぁあああ、ひうんっ! あつ、し、なんで…っ」

「なんでって…だってオレ、おっぱいって言ってほしかったんだもん」

「っ……ぅ……お、っぱい、の、やめて…っやらあ…っ、ぐりぐりしないで…!」

「チャンスは一回きりです〜」


 それから数分、紫原は赤司の乳首をローターで弄り続けた。時には指でつまんだり舌で吸ったり、歯で甘く、強く噛んだり。


「――そうだ、あのね、おっぱいにつけるピアスがあるんだって。今度赤ちんにつけたげるね〜」

「っ!? や、いや…っぴあ、す、やらああぁぁっ!」

「紫とか緑とか、青とか水色とか黄色とかの色のやつ。でもあんましカラフルだとシュミ悪そうだし、二つずつにわけよっか」

「やらっ、あつし、ぴあすはやめて…!」


「……緑間君がムッツリ鬼畜なのは知っていましたが、紫原君も鬼畜ですね…」

「誰がムッツリなのだよ」

「鬼畜は否定しないんスか…」

「紫原もそろそろ終わるみてえだな」


 紫原は、対面座位の格好で、赤司の後孔にずっぽり性器を挿れていた。緑間のものより一回り以上大きい紫原の性器が赤司のナカを圧迫する。


「あつし、くるし…ぬい、て…」

「やだー」

「っひ、ぁん! ぁっあっあっひゃめ、やめっ…、んああっ…」

「う、わ…っと。……赤ちん、もうイっちゃったの? つーか空イキでところてんとかマジエロい」


 ずる、と後孔を埋めていた性器が抜かれると、赤司の体はビクンと跳ねた後ベッドに沈んだ。涙が流れる目は虚ろで、口の端からは唾液が垂れて光っている。
 青峰がそんな赤司を膝をつかせて座らせ、顔を上げさせ、口に勃ち上がった性器を突っ込んだ。


「んんーっ、ふ、っぐ、んっ! んんっ、ふ…ぅ、ん…」

「…はぁっ……うめーな。これも洛山仕込みか?」

「ふ、ぇ……んやっ、はっ、んんんっ、んん!」

「く、全部飲めよ…っ」


 赤い髪を掴んでメチャクチャに前後させていた手が速さを増し、喉奥を突く性器がひくつく。直後、大量の精液が口内に放出された。


「っぐ! げほっ……けほ、っ、ん、んん……は、う…」

「…全部飲めっつったろ」

「ぁ、う……ごめ、なさ、っひああぁぁああっ!」


 尿道の棒を引き抜かれて達する。緑間がおい、と反射のように言っていた。
 少し勢いを無くして溢れる精液を押し出すように青峰の性器が挿入された。手錠で擦れた肌が赤い。


「あっうッああっ、だいき、だい、…や、っあ」

「…なあ。洛山の奴らとキスしやがって、いつからお前、あいつらのモンになったんだよ?」

「なっ、ぁっああっ、みて、たの? っあ、ヤダっ!」

「っお前な……、オレ達がどう思ったと……!」


 三人目の精液が注がれ、そろそろ腹が苦しくなってきた。少し膨らみも帯びている。
 青峰がベッドから降りた。助けを求めるように、すがるように、実渕達を呼びたかった。が、前に実渕達相手に似たようなことをしたら激昂されたから我慢する。


「ボクが先に挿れるんです」

「えー! オレっス!」

「どっちも挿れりゃいいだろ、お前らのちっちぇーしぶべらぁっ」

「…イグナイトしますよ。ボクは平均です」

「してから……言えよ……」


 ともあれ、いい案です、と。黒子と黄瀬がベッドに乗り上げてきた。首を振って拒否を示すも当然無視される。
 横たわる赤司を起き上がらせ、前に黄瀬、後ろに黒子が座った。まず黒子が、次に黄瀬が挿入する。


「っう…ふっ、痛い…! や、これ、ゴリゴリくる…っ、ひやあああッん!」

「きつ、いけど……痛いほどじゃ、ないっスね。切れてもない」

「洛山の方にされました? 二輪挿し」

「やらっやあぁっ! ふか、いっ! ぅああっ! おく、らめ…っ」

「答えてください。嘘吐いたら…紫原君にでも参戦してもらいましょうかね」


 これ以上は何を挿れても裂けてしまうだろうに、この場の誰より大きい紫原のものを挿れられたら、どうなってしまうのだろう。
 赤司は顔を白くする勢いで、実際は赤いまま恐怖し、二度三度頷いた。黄瀬の目が鋭く細まる。


「ほんと、いつから洛山の人達と仲良くなっちゃってんスか…っ。アンタはオレ達のなのに…!」

「ひあっあッあんッ! おま、たちらって…んっ、じぶ、のこうこう、のやつらと、なかよくしてるだろ…っ」

「ボク達は体の関係までは持っていません」

「あっやっやらっ、ぁ、…くひいぃぃいいっ!」


 二人が一気に達して白濁をぶちまける。赤司はとろとろと力なく精を吐いた。
 全員達し終え、ひとまずこの狂宴は終わったようだった。拘束が解かれる。安堵する気力もないままキセキの会話に耳を傾ける。


「このままどこかに監禁すっか?」

「そうしたいが、洛山には赤司が最後にオレ達といたことは知られているからバレてしまうのだよ」

「迂闊でしたよね…今回はひとまず洛山にお返ししましょう」

「つーか、この状態の赤司っち見たら何やったかは丸分かりっスよね……うわー警戒される……」

「せんせんふこく、って思えばいんじゃねー? いいじゃん。警戒されても、赤ちんは絶対オレ達のとこに連れてくるんだから」


 紫原の言葉に、それもそうだと四人が笑った。


 体力の限界が来て瞼が重くなる。
 この出来事をなるべく頭に刻んで、あの温かい場所に帰ったらみんなに話して、相談しよう――最後までキセキの会話を聞きながら、赤司は目を閉じた。



END.









* * *
キセキのターンです。時期的にはWCの後。やっぱり複数は長いですね…。
一応、この話のキセキと洛山の違いは、赤司に好きだと言うか言わないか。キセキは言わなかったから好意が伝わらず、洛山は言ったから伝わった。だから赤司様は洛山側に行っちゃいましたみたいな。

 

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